徳蔵院住職と真言声明

高味 良信
Takami Ryoshin

Profile:徳蔵院住職 高味 良信

1947年、徳蔵院(千葉県松戸市)生まれ。大正大学卒業。16歳の時、谷中観智院故高橋宥順師に師事し、真言宗豊山声明・事相の指導を受ける。高橋師の他に故中義乗師、故青木融光師、故中賢乗師に声明を受ける。高橋師の録音された声明「御影供二箇法要」並「伝法灌頂声明集」の録音並びに編集に携わる。国内の声明公演には常にその一員として出仕。東京オペラシティーリサイタルホール、水戸芸術館、静岡音楽館AOI、虎の門ホール、軽井沢高輪美術館等の声明公演に出演。平岡全教和上の「悉曇帖」を印刷製本し、徳蔵院より刊行。真言宗豊山派第十五回教学大会に於いて教学振興会賞(事相部門)を受賞。現在観智院声明研究会会員。

Message:

     祈 世界平和万民豊楽
       山内安穏興隆仏法

"Wishing world peace and love
with all our hearts
here from Matsudo, Japan"


声明について:高味 真理奈

声明は世界に類を見ない日本仏教の宗教音楽です。日本の声明は、仏教各宗派ごとに特色を持った伝承の曲の数々を守り伝えて来ています。古代インドからの伝承曲やその中国語訳、また中国で作られたものが元となっています。日本に仏教が根をおろしてから、日本語でうたわれる声明がつくられるようになりましたが、奈良の真言宗総本山長谷寺は邦文による声明集の宝庫と言われています。真言宗は密教で、法要は公開しないのが原則とされてきたものも多くあります。その法要の中で長い間厳粛に受け継がれてきた真言密教の声明には導師の修法により、「顕立(けんだ)て」と「密立(みつだ)て」の別があり、例えば「密立て」の代表曲である唄(ばい)や散華(さんげ)などを聴きますと深遠で心に響く不思議な音の世界を感じます。西洋音楽とは成り立ちを異にして五線譜では表せない音や微妙な音をも独特の発声で表現しているからですが、これらの声明を通して人間が持つ声の豊かな可能性を再発見することができます。すべてがゆったりとして私たちを悠久の宇宙へといざなうような奥深さが、声明の秘められた魅力のひとつになっていることは確かです。日本の音楽の伝統のひろがりにとって大切な土台となった声明を、皆様も是非お聴きになられることをお勧め致します。

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