長谷寺

 

長谷寺&護国寺 輪違い

 

 真言宗豊山派の総本山は「長谷寺(はせでら)」です。
 末寺は全国に三千余ヶ寺あり、壇信徒の数はおよそ300万人といわれています。
 長谷寺は数多くの日本文学(万葉集・古今集・源氏物語・枕草子・蜻蛉日記・更級日記・連歌・芭蕉・蕪村・虚子など)にも登場しており、広くその名を知られています。
 また長谷寺は「花の寺」として親しまれ、約一千年前より牡丹が栽培されており「長谷の牡丹」「牡丹の長谷寺」と呼ばれ日本一の牡丹の名所としても有名です。


【長谷寺案内】 長谷寺小冊子より

 長谷寺は真言宗豊山派の総本山として、末寺は全国に三千余ヶ寺を数え、これら寺院の僧侶、壇信徒の本山参りが一般参詣の方々と共に絶ゆる間がありません。
 本山は一名「花のみてら」とも呼ばれ、桜は吉野と並ぶ名所で花の頃の美しさは

  「花の寺 末寺一念 三千寺」

  「花咲かば 堂塔埋れ つくすべし」    虚子

の句に表現されているとおり、山内の堂塔伽藍が花につつまれる眺めはまことに壮観です。牡丹は唐の皇紀馬頭婦人(めずぶにん)の献木を今に植えついで日本一といわれ、秋の紅葉また昔から名高く、紫陽花が色の変化をみせる等、これら四季の花木にかざられたこの山にご参拝の方々には

_____ いくたびも参る心ははつせでら
          山もちかいも深き谷川 _____

というご詠歌(ごえいか)の心をしみじみと感じて頂けることとぞんじます。
 また本山は、すぐれた名勝地として多くの文学作品の舞台ともなっております。

開基

 朱鳥元年(686)道明上人は、皇室のおん為に銅板法華説相図を西の岡に安置され、のち神亀四年(727)徳道上人は聖武天皇の勅を奉じて、民衆のために東の岡(現在の場所)に十一面観世音菩薩をおまつりになりました。徳道上人は観音信仰に徹したお方で西国三十三所巡拝の開祖となられた大徳であり、当山を三十三所の根本霊場と呼ぶいわれであります。

■本尊

 当山のご本尊は、御身の丈、三丈三尺六寸(十米余)、楠の霊木で顕造せられている金色に輝く十一面観世音菩薩です。右手には錫杖と念珠、左手には蓮華のある水瓶をお持ちの独特のお姿で、平らな石の上に立っておられます。このように錫杖をもって地面にお立ちになっているのは、観音地蔵両菩薩のお徳をあらわすもので、御名を呼ぶ声に応じて、すぐ赴きお守りくださって希望をかなえさせ給うお誓いのお姿であります。

■本堂

 三代将軍徳川家光公慶安三年(1650)の建立で、奈良では東大寺大仏殿に次ぐ重要文化財大建造物です。


【真言宗の教えと歴史】 真言宗豊山派小冊子より

真言宗豊山派の歴史

 真言密教の歴史は、大乗仏教を大成する形で七世紀ごろのインドに始まります。中国に伝わり体系化され、延暦二十四年(805)に弘法大師(空海)が長安(現在の西安)にわたって、恵果阿闍梨から真言密教の教えを授かり、日本へと伝えられました。
 弘法大師によって開宗された真言宗は、東寺や高野山を中心に広められ、平安末期の頃に興教大師(覚鑁「かくばん」)によってさらに新しい力が吹き込まれ、根来寺が創建されました。
 鎌倉時代には、頼瑜僧正(らいゆそうじょう)によって新義真言宗が成立し、根来寺を中心に栄えましたが、戦国時代の戦渦により、専誉僧正はじめ多くの僧侶が根来寺を離れることになりました。
 その後、豊臣秀長公に招かれた専誉僧正(せんよそうじょう)は、奈良の長谷寺で豊山派を興します。派名は長谷寺の山号「豊山」に由来します。また、江戸時代、五代将軍徳川綱吉公の生母桂昌院により護国寺が建立されました。

 

弘法大師 興教大師 専誉僧正
宗祖
弘法大師(空海)
774-835
中興祖
興教大師(覚鑁)
1095-1143
派祖
専誉僧正
1530-1604

 


お経

 真言宗の根本経典は、「大日経(だいにちきょう)」「金剛頂経(こんごうちょうぎょう)」です。法要の中で唱えられる主なお経は「般若理趣経(はんにゃりしゅきょう)」「般若心経(はんにゃしんぎょう)」「観音経(かんのんぎょう)」などです。さらに特徴として「光明真言(こうみょうしんごん)」に代表される真言陀羅尼(しんごんだらに)を唱えます。また経文の一字一句に節をつけた聲明(しょうみょう)は広く知られています。お経のほかにもご詠歌(えいか)や和讃(わさん)をお唱えすることがあります。


祈る

 私たちは、さまざまな祈りや願いをもって生活しています。真言宗では、人々がより良い日々をおくれるように、密教の修法を通じて、その思いを仏様に届けます。
 そして、私たち自身の努力と向上心(以我功徳力「いがくどくりき」)、仏さまの大慈悲の力(如来加持力「にょらいかじりき」)、自分を取り巻く一切の環境の力(及以法界力「ぎゅういほうかいりき」)という三つの力が整ったとき、その祈りや願いは成就するのです。
 火を焚いて仏さまに供養して祈る「護摩祈願」が代表的です。


廻向する

 ご先祖さまを大切にするということは、自分が今あることに感謝し、また自分自身を大切にしていくことに他なりません。
 自分が受けたさまざまな恩に感謝し、供養の誠をささげながら、その功徳を自分のものとせずに、ご先祖さま、そして縁あるすべてのものへと手向けることを、廻向(えこう)といいます。
 先祖供養として行われる廻向は、まことに心温まるすばらしい行いといえましょう。


今を生きる

 弘法大師は、ものごとを宇宙的な視野でとらえ、深い洞察を加えていくという、大きな世界観をもって、人々の幸せのために、今も私たちを見守ってくださっています。
 お大師さまを人生の目標とし、同行二人(どうぎょうににん:お大師さまといつも一緒)という生活をおくることが、真言宗における安心(あんじん)の要となります。
 お大師さまと共に力強く「今」を生きてまいりましょう。


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